ブラック企業は『戦略的に』見分ける
就活をしている学生や転職活動をしているフリーターの人たちにとって、「ブラック企業だけには入社したくない!」という想いは共通したものだと思います。正社員は、アルバイとは違い簡単には辞められないというプレッシャーもあります。
ただ、近年、ブラック企業の存在が認知されるにつれて、ブラック企業自身も『ブラックな要素を隠す』のが上手くなってきました。私たち素人が賢く見極めるためには、正しい知識を身に付けて、攻めの姿勢で対策を講じる必要があります。
ここでは、見極める方法のポイントを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ブラック企業の定義って?
実はブラック企業は、法律や条約などで『ブラック企業=○○な会社』のように明確に定義されているわけではありません。ですので、Aさんがブラック企業だと感じていても同じ職場で働くBさんにとってはブラック企業ではない、といった認識の違いも起こり得ます。こうした曖昧な点が、ブラック企業に対する規制がなかなか進まない大きな要因でもあります。
ただ、明らかにブラック企業だと判断できる条件はいくつかあります。
○低賃金での長時間労働が続いている
○職場内にハラスメント(パワハラ、モラハラetc.)が常態化している
○社員をモノとして扱い人権を尊重しない
○残業代が支払われない
○新しく入った社員がすぐ辞める状態が続く
これら5つの条件が当てはまる数が多いほど、ブラックな要素が強い会社であるということになります。問題は、これらが『実際に入社してからでないとわからない』という点です。
入社前にブラック企業か否かを見極めるには、どんなポイントに注目すれば良いのでしょうか。
ここに注目!入社前のブラック企業の見分け方
○セミナーや面接できれいな言葉ばかり並べている
ブラック企業は、ブラックであることを悟られないために、『いかにも』な言葉を並べて会社を魅力的に見せようとします。特にセミナーや面接の際に、担当者があまりに流ちょうにきれいな言葉を並べて話し続けている場合は、「怪しいかも…」と疑ってみましょう。たとえば、「夢・感動」といったワードを連呼するようケースは、たいてい嘘か誇張だと考えてもいいかもしれません。
○年俸制・残業代含む・インセンティブ
たとえば、「弊社は残業代も含まれている年俸制なので、残業代は支払いません」と求人票に書かれている場合、ブラック企業である確率がかなり高いです。年俸制でも一定以上の労働時間を超えれば、企業には残業代を支払う義務が法律で課せられています。
また、『基本給は低いがインセンティブ(成果報酬)によるプラスが多い』といった記載が求人票にある場合も、ブラック企業にありがちな条件なので要注意です。
○ネットからの情報を活用する
ネットには、世の中にはびこるブラック企業のリアルな実態や情報があふれています。
特に『ヤフー知恵袋』は積極的に活用したいおすすめのツールです。見るだけならば登録不要で手軽に利用できます。こちらから質問を投稿する場合も無料で登録できるので、ブラック企業に関する情報を得る手段として有効活用しましょう。
ホワイト企業に入社することは人生を豊かにする
社員を大切にする会社、つまりホワイト企業に入社することは単にお金の面でメリットがあるだけではありません。毎日、安心して生き生きと働けることは、精神衛生的に好ましく、自分の人生を豊かにします。また家族を持てば、仕事のストレスから子育てに悪影響が出たり、休日返上で働きに出たり、といったデメリットも極力回避できます。
過剰に警戒し過ぎることにも注意
以上、ブラック企業の見分け方をご紹介しました。
注意したいのは「ブラック企業かもしれない…」と疑いすぎるあまり、会社選びの際に、過度に悪い点ばかりを見てしまうことです。また『他の会社よりも給料が低い』、『一人でこなす仕事の量が多い』といった要素は、自分の希望に沿っていないだけで、それだけではブラック企業とは言えません。時には、条件に妥協する勇気も持ちましょう。
自分だけで判断できない場合は、家族や友人、先輩などに相談して客観的な意見ももらうと良いでしょう。