中卒の求人はあるの?
厚生労働省が平成29年に発表した、平成28年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・内定状況」によると、中卒の求人倍率は、1.31倍で前年よりも0.2ポイント以上高く推移しています。つまり中卒向けの求人はあるということ。ここでは、中卒で可能な仕事のことや、就職に役立つのアドバイスもお伝えします。
高卒の就職内定率は8割以上に
厚生労働省が平成29年に発表した高卒の就職内定率は87%で、前年を大きく上回りました。この結果から、就職や転職をしたい人にとっては、就職先が見つかりやすいといえます。この流れは、高卒のみならず中卒からの就職においても、好機ととらえてよいでしょう。中卒の場合だと、いったいどんな仕事ができるのでしょうか。
学歴不問・体力、中卒に求められる仕事
資格なしでも働けるガテン系の仕事、技術者の見習い(伝統工芸なども含む)、工場のスタッフ、飲食、販売、テレオペなどがあります。どちらかというと学歴不問・体力を必要とする仕事が中心。女性なら軽作業も多いです。中卒から就職するなら、職人を目指すことも可。専門的な技術系の場合、住み込みで働ける就職先もありますよ。また高齢化社会により、農業に従事する若者が減少するなど、特定の分野で若者を必要とする傾向が見られます。自分の得意分野をしっかりと考え、どんな分野で必要とされるかも考えてみましょう。
中卒で年収300万円は稼げるの?
厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査を参照してみます。中卒男性で25~29歳の場合、平均年収は335万円という結果でした。同年代の高卒男性は379万円、さらにそれ以上の学歴になると年収が多いのが現実。中卒でも300万円稼げるのであれば、問題ないのでは?と思う人もいると思いますが、中卒の場合フリーターになる割合が一番高いのも特徴です。労働政策研究報告書による学歴ごとのフリーター経験者(図6-2)のデータによると、中卒・高校中退でフリーターをやったことがある人の割合は、どの学歴よりも高いという報告も。フリーターの年収は、150~200万円と推定されます。中卒で必ずしも、300万円稼げるとは限りません。
中卒のイメージが就活の壁になることも
就職する際に、中卒だといろいろな壁にぶつかりやすい現実もあります。企業が中卒者に対して抱くイメージには、どんなものがあるのでしょうか。
・仕事への向上心に欠けるのでは?
・ちゃんと仕事してくれるのだろうか?
・人間関係がうまくいかないのでは?
・学校で問題を起こしたのではないか?
学歴が重視される日本では、中卒のイメージは良いものとはいえません。中卒で就職するなら、大人が抱く悪いイメージを吹き飛ばすくらいの勢いがないと難しいでしょう。なお正社員になりたいという場合は、さらに高い壁を乗り越えていかなければなりません。
高卒・大卒でも難しい正社員
就職内定率や求人倍率が高いからといって、必ずしも正社員になれる保障はありません。同時に、非正規社員の求人数も高まっているからです。リアルに今、中学生の場合はまわりが高校進学する人ばかり。本当に自分に合う就職先を、見つけてくれる先生がいるとは限りません。また中卒でフリーターになってしまったものの、これからはちゃんとした仕事をしたいという20代もいると思います。フリーターから正社員を目指す場合も、やみくもに行動していては面接さえも難しいでしょう。選択肢を広げるなら、就職支援も行っている転職サイトを活用して、適職を探す方法もあります。
相談しながら一歩ずつ正社員へ
正社員を目指すなら、専門の人に相談しながら進めることが大切です。中卒からの就職となると、先ほど紹介したようにいろいろな壁にぶつかりやすいため、手当たり次第に就活しても、時間の無駄になりかねません。どんなふうに就活したらよいのか、しかるべき対策を一緒に考えてもらえる人がいたら心強いですよね。転職サイトは就職に詳しいスタッフがいて、相談は無料。気軽に登録してみてください。自分に合った企業を探しましょう。