フリーターは年金どうしてる?
「年金」というと、
◎まだ自分には関係ない
◎将来もらえるかどうかもわからないもの
◎そもそも加入しなきゃいけないものなの?
と思っている人も多いことでしょう。
ことにフリーターともなると、勤務条件によっては会社で絶対社会保険に加入させてもらえるとも限らず、年金の制度自体を詳しく知らないという人も少なくありません。
そこで今回は、フリーターも知っておいて損はない年金についてのお話をしていきます。
アルバイトなのに年金は加入は必要なの?
年金という響きには、どうしても「高齢者」「正社員」というイメージがあり、アルバイトなら関係ないという誤解をしがちです。
日本国内では、20歳以上になるとすべての人が何らかの年金制度に加入する必要があり、それはアルバイトでも学生でも同じです。
ただ、学生の場合は「学生納付特例制度」が設けられており、申請すれば学生期間中は掛け金の支払いを免除してもらうことができます。
申請は住所を管轄する役所の窓口へ直接行って行います。
ですが、フリーターなど学生以外の人の場合はそういった制度がありません。
20歳になった時点で正社員として勤務していた場合は、会社が厚生年金に加入させてくれているので自分で何らかの手続きを取る必要はありません。
そのため、年金に加入している実感はなくても、きちんと加入できているので安心です。
しかし、法改正前の「国民年金への加入は任意」だった時期にフリーターをしていて、加入手続きをしなかった人は、年金未加入になっている可能性があります。
とはいえ、現在20代の人たちは「国民年金には国民全員が必ず加入」と法改正された後なので、手続きをしなくても20歳になると自動的に加入になっています。
自分が年金に加入できているかどうかは、自宅に年金手帳があるかどうかで確認できます。
年金を将来受給するための条件
2017年10月時点での、将来年金を受け取るための条件・受給資格は、
「公的年金制度への加入期間が10年以上あること」
となっています。
法改正以前は、加入期間が25年以上なければ1円も受け取ることができませんでしたが、現在は10年以上に変更されています。
また、公務員などが加入していた共済年金は、民間会社が加入する厚生年金と統一されています。
ここでいう「加入期間」とは、【掛け金を支払った期間】と【支払いが免除されていた期間】を合わせたものを指します。
そのため、この期間中にたとえば掛け金支払いの全額免除期間があり掛け金は支払っていなかったとしても、それは加入期間として算入されますが、将来受け取ることのできる年金額は減らされます。
一方、免除を受けられていないのに掛け金を支払わない「未納」があった場合は、加入期間として算入されません。
ただし、後から納付することは可能なので、お金に余裕ができたから支払うつもり…という時は相談してみると良いでしょう。
フリーターでも年収によっては年金支払い義務発生!
一般に、年収が130万円を超えた場合、フリーターであっても年金の支払い義務が発生します。
さらに、週35時間以上の勤務をする場合、会社の厚生年金に加入することになっています。
先々を考えれば、国民年金のままでいるよりも厚生年金に切り替わったほうがお得ですし、安心感があります。
厚生年金であれば、将来受け取れる年金額が多いだけでなく、障害を負ってしまった際にも障害年金など受け取れる制度が充実しています。
収入が少ないからできるだけ出費は抑えたい、税金もできるだけ最小限に…と思う人も多いでしょうが、国民全員が加入しなければならない制度となっているため、避けることはできません。
将来もらえるかわからないのに…
年金は、
「将来もらえるか、わからないじゃないか」
「どうせどんどん受給額が減るんだろう」
「受給年齢がますます引き上げられて、生きてる間にもらえるかどうか不明」
…と、その制度自体に疑問の声が多く寄せられています。
確かに、年金制度の存続自体が危うくなっており、信用できない!という人が急増しています。
特に若い世代を中心に
「もらえるかわからないんだから、支払いたくない」
という意識が芽生えつつあります。
年金制度は、保険制度と同様に、「加入者全員で支給対象者を支える」、相互扶助の精神で成り立っています。
ですから、今年金の掛け金を支払っている若い世代の人たちの力で、年金を受給している高齢者たちを支えている、という構図になっているのです。
そしてそれは、今の若い世代の人たちが高齢者となった時にも、同じように繰り返されていくのです。
年金の負担を減らすお得な方法はコレ
「できるだけ支払う額は少なく、でももらう額は大きくしたい!」
これが多くの人の本音です。
そして、これを実現できる方法があるのです。
国民年金から厚生年金に切り替えることです。
国民年金は、全額自分で支払う必要がありますが、厚生年金は違います。
厚生年金は、掛け金を会社と折半で支払う形となるため、本来負担するべき金額の半額を支払えば良いのです。
それに加え、将来受け取れる額はかなり大きく、さらに何かあったときの保障が充実しています。
掛け金は、収入に応じて変化するので、場合によっては若干掛け金が大きくなる可能性はありますが、それでも会社が半分払ってくれるというのはとても大きなメリットです。
こうした負担を最小限に抑えるために転職しようと考えるなら、転職サイトを利用して、条件に合うところを紹介してもらうのがおすすめです。
会社によっては年金加入がないところもありますし、勤務時間が条件を満たさないところもあります。
わからないまま転職活動を進めるより、専門家のアドバイスを仰いでみましょう。
年金加入は避けられない日本の制度
今の日本には、年金未加入という選択肢がありません。
その中で最大限の抵抗として未納を続ける人もいますが、将来を考えると少々不安が残ります。
どうせもらえないかもしれない…そんな気持ちも十分に理解できるものです。
実際、支払うだけ支払って受け取らずに亡くなっていく方も多いという現状があります。
そんな納得できない制度と共生していくために、自衛手段として取れるのが、転職による厚生年金加入と言えます。
どうせ払わなきゃいけないなら少ない額を、そしてもらうなら大きな額を狙いたいところです。