アルバイトでも税負担は正社員と同じ!?
フリーターなら、税金の金額も安いだろうし、正社員になるよりマシ!
…という勘違いをしてはいませんか?
所得税は、雇用形態がアルバイト・正社員の別に関係なく、仕事をして収入を得ている人すべてに対し、平等に課せられています。
ただし、得た金額によって税金の額が異なったり、また、支払う必要がない場合もあります。
ここでは、20代など若いうちはあまり気にも留めないことが多い所得税や住民税など、「税金」についてのお話をしていきます。
自分の年収で所得税の支払い義務があるかどうかを知る
所得税は、年収が103万円を超えると支払い義務が発生します。
たいていはアルバイト先で給与から天引きという形で支払いが行われるので、支払っているという実感はないことが多いです。
毎月もらう給与明細で、いくら引かれているのか一度確認してみると良いでしょう。
また、年収103万円を超えることで所得税が発生するだけでなく、税金面で親の扶養に入っていた場合は強制的に扶養からはずされます。
これによって自分自身ではなく親の税金負担額が年間数万円程度大きくなります。
健康保険面の「扶養から外れる」は、年収130万円に達した時点ですので、これとは別の話になります。
ひとくちに「扶養」といっても、税金面での扶養と健康保険面での扶養では年収の基準が異なるので間違えないようにしてください。
所得税はいつ、どこで、どうやって払うの?
年収103万円を超える収入がある場合、所得税を支払わなくてはなりません。
でも、
「どこで払うの?」
「どうやって払うの?」
「時期・期限は?」
と、初めてなら疑問がたくさん出てくるでしょう。
所得税の払い方には2種類あります。
1つは
◎「アルバイト先が給与天引きして支払ってくれる」
方法です。
これなら支払い方法がわからなくても大丈夫ですし、払い忘れもありません。
2つめは
◎「確定申告時に自分で納付書を書いて支払う」
方法です。
確定申告をしに税務署にいった時にその場で支払うやり方や銀行窓口・コンビニなどで支払うやり方と、インターネットを利用したe-taxで確定申告をした時に同時に支払いを済ませるやり方、そして講座からの振り替えがあります。
確定申告が必要な人の場合、所得税納付書が自宅へ郵送されてくることはありませんので、注意が必要です。
いずれも納付期限は確定申告の期限と同じ日まで、となります。
所得税の計算方法
年収103万円を超えそうなフリーターの方は、所得税がいくらぐらいなのか、給料がどれくらい変化するのか、気になるところでしょう。
そこで、所得税の計算方法をご紹介してみることにします。
(図1)『zei.jpg』(国税庁HPより抜粋 https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2260.htm)
国税庁のホームページによると、27年分以降についての所得税は、図のようになっています。
とてもわかりやすい速見表なので、自身の所得税の計算に役立ててみてください。
税負担増のポイントを覚えておこう
フリーターだとは言え、収入額が増えれば増えるほど、税負担も重くなっていくのは正社員同様です。
中には
「税金払うのなんて嫌!だから収入は少なくていい!」
という人もいるほどです。
実家にいて生活が重くのしかかることのない人にとってはそれが一番お得な方法ですが、そうでない人には必ずしもそれがお得だとは言えない面があります。
冷静に、税金負担後の手元に残るお金と、税金を払わなくて良い程度の収入を比べた時、どちらのほうがより安定した生活を手に入れることができるか比較してみる必要があるでしょう。
わずかな差しかないのであれば、税金を払わずに済むほうがお得ですが、大きな差ならたくさん稼いだほうが良い場合もあります。
◎年収100万円を超えると住民税
◎年収103万円を超えると所得税
◎年収130万円を超えると健康保険と年金
※国税局の説明では「以上、以下」という表し方はしないので注意してください。
フリーターで稼いでいる人が覚えておくと良いポイントです。
転職するとき所得税のことはどうすればいい?
会社で所得税が天引きされてきたフリーターの方が転職する場合、その後どうなるのかによっては自分で手続きをする必要があります。
たとえばこれまでは会社が勝手に天引きで払ってくれていたけど、辞めてしばらくのんびりする…のような場合や、新しい勤務先が天引きしてくれない場合などです。
インターネット上のまとめ記事などで見かけることもありますが、こうした記事の信憑性は低い場合が多いので、転職エージェントの専門家に詳しく聞いたほうが無難です。
同時に転職先の相談もできるので、一石二鳥です。
所得税負担は、社会人の証
所得税がかからなかった学生時代のアルバイトとは違い、自分で税金を支払う必要が出てくるほど収入を得るようになった。
これは、立派な社会人としての証です。
フリーターという肩書きであっても、仕事を持ち、社会に貢献していることに違いはありません。
もちろん、これからの長い人生を考えたら、正社員として地盤を固めることも必要になりますが、だからといって焦って納得できない会社に就職する必要はないでしょう。