今の生活で満足? 一生フリーターのままでは不安な方へ
世の中には自分の意志でフリーターを続けている人と、『本当はもっと安定した仕事に就きたい』、『正社員になりたいがなれない』といった理由でフリーターという立場にならざるを得ない人がいます。
前者の場合、収入が比較的安定していたり目標ややりがいを持って取り組んでいる人が多いと思います。ただ、年収が低いことや待遇面で不満を感じながらフリーターを続けている後者の人は、毎日の生活や将来の人生に不安を抱えているのではないでしょうか。
ここでは、そんな不安や不満を持っている年収が低いフリーターの方へ向けて、日本におけるフリーターの実態やフリーターを続けることのデメリットなどを解説します。
フリーターの数は減りつつあるが…
そもそも日本におけるフリーターの定義とは、『中学校卒業後の年齢15~34歳で勤め先における呼称が「アルバイト・パート」である雇用者、現在無業の者については、家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者』です。
そのフリーターの数は、2017年2月に政府から公表された労働力調査によると、2016年は男女ともに減少し、前年比で12万人減という結果です。2013年から毎年減り続けており、一見明るいニュースに思えますが、『正規雇用が増えて』というプラスな理由。フリーターには該当しない派遣社員や契約社員が増えた、若者の人口が減ってきている、といった理由がフリーター減少の主な理由です。
年収が低いフリーターを続ける3つのデメリット
○ローンが組めない
家や車を買う時はローンを組む人がほとんどですが、フリーターだとその審査に通らない場合があります。つまり、一生フリーターだと、自分が望むような家も車も手に入れられない可能性がある、ということです。
銀行はお金を貸す人の職業や収入、家族構成などから、『返済してくれる可能性』を審査します。フリーターは正社員に比べてその審査がかなり厳しく信用が低いと言われるため、融資がされないケースも珍しくないのです。
○家族を養えない
あくまでも単純計算ですが、フリーターの人の年収はおおよそ次のような具合です。
・時給800円の場合…134万4000円
・時給1000円の場合…168万円
・時給1200円の場合…201万6000円
※『1日7時間×25日勤務×12か月』で計算
実際は、この収入から保険や年金、税金が引かれることになるので手元に残るのはもっと低い額です。共働きのパートナーがいない限り、フリーターという立場では、家族や子どもを養っていくのはかなり厳しい生活となります。
○将来、仕事がなくなる可能性がある
AI(人工知能)の発達による業務の自動化、グローバル化による優秀な外国人の獲得、人口減少による零細企業の倒産、といった時代の変化により、将来的に日本人の仕事は減っていく可能性があります。そうなると、正社員よりもアルバイトやパートといった立場にある人の方が、仕事を失うリスクが大きいことは、火を見るよりも明らかです。
フリーターから正社員に就職・転職する
フリーターから正社員になりたい、という人は、当然「採用されやすい会社を受けたい!」と思うはずです。しかし、自分が受かりやすい会社を見分けるのは難しく、闇雲に就職活動をしがちです。ネットなどで就職や転職の職業ランキングを見ることはできますが、どれも有名企業の名が並び、ハイレベルな会社ばかりなので、自信を失くす人も多いでしょう。
参考程度ですが、介護・建設・飲食サービス・運送といった業界は人手不足なので、調べてみましょう。また、自分が今働いている業界への就職・転職は、他の業界よりも有利になる可能性が高いので、積極的に選択肢に入れるとよいでしょう。
フリーター卒業!
「自分はフリーターのままで年収が低くても気にならない!幸せに暮らせる!」と口で言うのは簡単ですが、一度時間をおいて、家族や自分の老後のことを計画的・現実的に考えてみることも大切です。
また、すでにここで解説したようなリスクや不安を承知していて、正社員として働きたいと望んでいる人は、フリーター卒業に向けてさっそく動き出しましょう。動き出す時期が早いほど、年齢が若いほど、採用においては有利になることが多いです。